今しかないこの経験は、今ここで残さなければならない。
.
.
12月30日。オーロラを見た。
29歳を迎えた年の終わりに、
死ぬまでに必ず見たいと思い続けた景色を拝んだ。
この日は曇りで、月明かりもあり、時折雪が降る。そんな日。
オーロラを見るにはあまり好ましくない条件が重なり、
オーロラツアーがスタートする時にはKP Indexが1.6とか。確率30%以下。
予報では明日から天気が良く、オーロラが出没する確率が高いとか。
見たい、
絶対見たい。
この旅はこの経験のためにあるもの。
柄にもなく普段お願いをしない神様にここぞとばかりに祈ってみたり、
分刻みで変化する確率と天候の情報を追いかけた。
ツアーガイドのライナーさんは、オーロラを見たことない時はないと。
つまり、今回見れなければ初めてオーロラを見なかったことになる。
そう言っていた。
車が止まった。
左右に木々が立つ真ん中。
薄く儚い緑色の光が、空に一筋。
本当にあれがオーロラなのか疑ったくらい、うっすらと見えた。
実際に見るオーロラの光は柔らかい。携帯のナイトモードで撮ると鮮やかすぎるほど鮮やかに映った。
自分は実物が好きだったな。
.
今度は開けた土地、道路の真ん中で、また車が止まった。
空を見上げた。
空を横断する形で、橋のようにかかる緑色の光。
オーロラだった。
オーロラは生きている。
現れたと思えば消えて、また現れる。
自然の現象というものはそういうものなのだ。
両親が一生懸命カメラを構え写真を撮るなか
自分はただただ空を見上げてみた。
29の自分、働いている自分、両親と旅に来ている自分、
そしてさまざまなことに意味を見出したがる自分。
どんな自分もオーロラという自然の前ではとてもちっぽけだった。
本当にちっぽけだった。
.
また車が止まった。
ホテルに戻るか、このまま戻ってもう一度オーロラを探すか。
やはりこの日はオーロラを見るにはなかなか難しい日だったみたい。
(自分は満足してたけどね)
父がもう一度オーロラを探す決断をしてくれた。
はたして最後にもう一度、オーロラが見えるか。
.
ここで見れなかったら最後だろうという場所で、車が止まった。
ラストチャンス。
オーロラは現れた。
月明かりに負けないくらい鮮やかに。
月に光の橋がかかったような様子は美しかった。
父の決断は間違っていなかったし、
求めるものには妥協をしない姿勢に、今回改めて尊敬した。
.
.
.
オーロラ。Northern lights.
死ぬまでに必ず見たいと思っていた景色が目の前に訪れてくれた。
自分はちっぽけだった。
自然は本当に美しく、儚かった。
心が洗われるような気がした。
そして、見た光景がいつか見れなくなるかもしれないと思うと寂しさも感じた。
.
29。
30歳の前に両親と来られたNorthern lights trip。
彼らには本当に感謝している。そしてガイドさんも。
.
これからも壮大で脅威で美しく儚い、多くの景色たちをこの目で拝みたい。